豪ドル/米ドルの見通し【2020年後半】

豪ドル/米ドルの見通し【2020年後半】

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日本人トレーダーで豪ドル投資なら豪ドル/円を取引は普通ですが、世界的には豪ドル/米ドルの方が有名。

豪ドル/米ドルは24時間動く通貨ペア

為替チャート

値動きの特徴は「昼でも夜でも動く」というもの。

一般的にドルストレートの通貨はよっぽどメジャーなユーロ/ドル以外は日本の夜から夜中のNY時間によく動きます。

しかし、豪ドル/米ドルの場合、オーストラリアがあるオセアニア市場が日本時間の早朝と東京市場の時間帯に被るため、1日中値動きがあるのです。

とはいえ、ユーロ/ドルほどの流動性はないので、短期の値動きは荒い傾向です。

短期では流動性がユーロ/ドルやドル/円のより低く、メインであるオセアニア市場が流動性が低い時間帯の取引となりますので荒い動きになりがちです。

反対に長期的には穏やかな動きが多く、きれいなチャートを描きます。

米国との金利差がトレンドに影響

豪ドル/米ドルは2011年から長期の下降トレンドとなっています。
豪州が2011年末から利下げに入ったことが下降の1つの要因です。

豪ドルは既に高金利通貨ではありませんが、高金利通貨のイメージが未だ残っていますので政策金利は価格変動要因となります。

豪州の政策金利と豪ドル/ドル円の月足チャート

2016~2017年にかけて一旦上向きに推移しますが、2015年11月から米国が利上げ基調になり、2018年2月に米国金利が豪州金利を逆転して上回ったことにより、再び下降トレンドに勢いが付きました。

まりえ

政策金利は2019年には0.75%まで下がりました。
そして米国も2019年9月からは利下げ路線に転じて2020年1月の政策金利は1.75%です。

2020年はコロナにより緊急利下げを行い、豪州、米国共に0.25%となっています。

スワップポイントはほとんど付かない

金利が低くなっているとはいえ、日本は更に低金利なので豪ドル/円ではスワップポイントを受け取れます。

けれども、豪ドル/米ドルの場合、米国の金利が高いため、ほとんどスワップが付きません。

2018年からは米国の政策金利の方が豪州の政策金利よりも高くなりましたので、買いスワップがマイナスに。

このように、豪ドル/米ドルではほとんどスワップが期待できません。
なのでスワップ狙いの投資ではなく、為替差益を狙う戦略を取るべきです。

豪ドルの低金利は今後も続くのか?利上げの可能性は?

近年は低金利で推移する豪ドルですが、今後再び高金利に戻ることはあるのでしょうか?

今後高金利になる見込みはほぼない

その理由はオーストラリアはもう高金利政策を取らなくて済む状態になっているから。

RBA(オーストラリア準備銀行)は、豪州の金融政策にインフレ・ターゲット制を採用しています。

新興国だと、インフレ率が高いことが経済にとっての悩みです。
そのため、インフレを抑制するため利上げ政策をとります。

かつてのオーストラリアも高いインフレ率を抑えるため高金利政策を実施していました。

RBAのインフレ目標値は2~3%

近年の豪州のインフレ率は1.3%ほどと目標値を下回っています。

つまり、利上げの必要は全くありません。

逆に利下げすれば国内の投資活動が積極的になるので国内は活性化し、良い循環になっています。

今後もインフレ目標値を上回る可能性はあまりありませんので、利上げの可能性はなく、金利据え置きかむしろ利下げの可能性の方が高いと言えるでしょう。

2020年後半の豪ドル/米ドルの見通し

現在、豪ドル/米ドルは長期の下降トレンド継続中です。
結論から申し上げますと、当面はこの流れは崩れないと思われます。

2020年後半の豪ドル/米ドルの見通しチャート

テクニカル面で言えば、2018年からレジスタンスBに上値を押さえられながら一定の値幅で切り下げながら下降しています。

2020年3月にコロナショックで大幅下落しますが、現在は元の水準に戻っている状態です。

今の価格は水平線Dの水準に位置。重要ポイントに差し掛かっている

現在は急落前にロングポジションを持ち±0で終わりたい人、下降後にショートポジションを持った人の損切など、参加者の思惑が絡み合う場所です。

ここではしばらく価格の攻防により揉み合いが起こる可能性があります。

その後、上昇するならレジスタンスAが1つの目途となり、目先の目標は0.71となります。
レジスタンスAを突破すれば0.8ドル台突入も視野に入ります。

水平線Dに押されて下降したら、ラインBがサポートとして下値を支える可能性があります。

安値の第一目途は0.65ドルとなり、さらに下がれば前回の安値まで下降する可能性がありますのでポジションを安全に管理する必要があります。

2020年の焦点は、コロナ、米中関係、米大統領選

新型コロナウイルス

いずれもサプライズ的な値動きをする可能性がありますので、あまり無理なトレードはしない方が無難でしょう。

ただコロナ関連で言えば、豪ドルは過剰に反応せずに穏やかな値動きをしているとも言えます。

というのも2020年7月、メルボルンのあるビクトリア州で感染第2波となった可能性があり、ビクトリア州の緊急事態宣言を4週間延ばし、7月20までにしました。

メルボルンでは7月1日から外出制限が再び始まっています。
このような状況でありながら、豪ドルは底堅い値動きをしています。

豪州の経済が健全であることや商品市況が堅調であることがその理由であると言われていますが、感染2波の発生も局所的にとどまっていることも危機感が限定的にとらえられているのかもしれません。

このようなことから豪ドルは必ずしも悲観的な状態ではないと言えます。

ただ、今後、上昇トレンドが起こったとしても大幅な豪ドル高になることはあまりないでしょう。

というのも豪ドルの事情として、RBAが通貨高を嫌っており、政策金利の発表時に現在の豪ドルレートに関して言及をすることが頻繁にあります。

そこで豪ドル高を抑制するような発言をよくしているので、買い戦略を立てたい人はRBAが豪ドル高を牽制していることは念頭にいれておきましょう。

豪ドル/米ドルは今後も下降トレンド継続が有力

豪ドル/米ドルの今後の見通しについて解説しました。
豪ドル/米ドルは今後も下降していく可能性が高いと言えます。

とはいえ、豪州は景気も堅調ですし、大幅に下降していく可能性はないと言えるでしょう。

今年はコロナ関連で世界的リスクに陥っていることもあり、瞬間的な値動きには注意しましょう。
特にロング戦略を行っているなら、ポジション管理は怠らずに。

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