原油価格と為替の関係をわかりやすく解説してみた

原油価格

本サイトはプロモーションが含まれています。

経済のニュースを見ていると為替や株価のほかに原油価格についても報道されることがあります。

原油価格は株価や為替にも影響を及ぼします。

原油のこれまでの値動き

まずは原油のこれまでの動きをご紹介したいと思います。
こちらはWTI原油先物の月足チャートです。

まりえ

原油は地球上の様々な所で産出されています。
有名どころは、欧州産北海ブレンド、中東のドバイ、WTIでしょうか。

原油価格として最もたるのがアメリカのWTI

WTI=ウエスト・テキサス・インターミディエートの略です。

米国の西テキサス地方。
硫黄分がわずかで、ガソリンや軽油を多く取り出せる品質の高い原油。

WTI原油先物は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の主力商品になっています。

なぜ、WTIが代表的な指標なのでしょう?

そのワケは、他の原油先物価格と比べて市場参加者が圧倒的で、透明性と流動性が高いのです。

世界の原油価格の指標のみならず世界経済の動きを見るうえで重要な資料です。

WTI原油先物の2002年頃から現在までの値動きのチャート

上のチャートではWTI原油先物の2002年頃〜の値動きです。

リーマンショック前の原油価格は1バレル=130ドルを超えていましたが、その後世界金融恐慌により2008年末には35ドル台まで下落しています。

その後一旦は100ドル付近を推移するものの、現在では22ドルまで下落しています。

原油に関してはOPEC(石油輸出国機構)が石油の採掘量を調整して需給バランスを操作し、ある程度の価格操作ができるという特徴があります。

まりえ

ですが、再び原油が100ドル台まで上昇するかというとそれは難しいと言われています。

というのも、2019年に米の大手自動車メーカーのGM(ゼネラルモーターズ)が、「すべての自動車を電気自動車へ移行していく」と発言しており、世界のエネルギーは原油以外のものに移行する動きを見せています。

なので、今までと同様の原油の需要が維持されるとは考えにくいのです。

豪ドルは原油価格に連動

豪ドルは原油価格が上がると買われ、逆に下降すると売られる風潮。

理由は、豪ドルは資源国通貨だから。
資源国は原油価格に大きく左右されます。

つまり、原油高になると資源国の景気は良くなり、資源国通貨が買われます。
逆に原油安になった場合、資源国の景気は悪くなり、資源国通貨は売られます。

オーストラリアのほか、ロシアも資源大国ですので、原油安は経済にとって大打撃となり、為替が下降する傾向があります。

WTI原油先物チャート

豪ドル/円のチャート

こちらはWTI原油先物と豪ドル/円のチャートの比較です。
上のチャートがWTI原油先物の週足、下が豪ドル/円の週足です。

上下のチャートを見比べると似たような動きをしていると思いませんか?

原油が上昇すれば豪ドル/円も上昇し、原油が下降すれば豪ドル/円も下降しています。
原油と豪ドル/円の相関がよく分かりますね。

また豪ドルは、中国の景気に左右されやすいということも考慮に入れておきましょう。

オーストラリアの最大の輸出品は鉄鉱石。
その1番の貿易相手が中国なのです。

米ドルと原油価格の関係は?

原油価格と米ドルは相関関係にあります。
原油価格の上がると米ドルも上昇、逆に原油価格の下降は米ドルが下降する要因です。

原油価格と米ドルが関連するワケ

原油の価格が下落した場合、米国のエネルギー関連銘柄の株価が下落する、それによりリスクオフ状態となり、ドルが下落します。

また、原油価格下落がインフレに大きく影響するのも要因の一つです。

原油価格の下落はインフレ圧力低下につながりますので、米長期金利低下の原因です。
そのため、米ドルが売られる傾向になります。

WTI原油先物と米ドル/円のチャート比較

チャートを見てみると、米ドルも原油と同じような動きをする傾向にありますが、先ほどの豪ドル/円ほどはシンクロしてませんよね。

というのも、米ドルは米国の経済はもちろん、世界経済のさまざまな要因が絡み合っており、参加者も多いので複雑な動きを見せるのです。

トルコリラへの影響

原油価格の値動きの影響で気になるのが、日本人トレーダーにも人気のあるトルコリラやメキシコペソなどの高金利通貨の値動きです。

2018年に大きく下降をして多くのトレーダーを不安にさせる値動きをしたトルコリラ。

まりえ

トルコは中東にありますが産油国ではありません。
したがって、原油を輸入しなければならない国です。

つまり、原油高はトルコの貿易支出が増え、経済にとってネガティブ要素です。
そのため原油高は、トルコリラの下落に繋がります。

メキシコペソへの影響

トルコリラに代わって最近人気が高まっている、メキシコペソはどうでしょうか?
メキシコは原油を産出する産油国です。

つまり、原油高はメキシコ経済にとって有利であるということが分かります。
したがって原油高はメキシコペソの上昇要因となります。

資源国通貨への投資や中長期でトレードするなら原油の動向も要チェック

原油価格と為替市場には密接な関係があります。

特に資源国通貨と呼ばれる豪ドルやメキシコペソ、カナダドルなどは原油価格がダイレクトに影響してきますの。

なので、原油価格や中東情勢についてもチェックしておくと良いでしょう。

また、原油価格は世界経済にも影響を及ぼします。

中長期トレードを行うときはファンダメンタルズ分析として原油の動向にも気を配っておくと、今後の値動きの予測に役立つのではないでしょうか。

いずれにせよ、原油価格と為替の因果関係を知っておくことで為替市場の今後を占う材料となりますので、ニュースなどでこまめにチェックしておくとトレードに有利になるはずですよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA